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ホーム 現場レポート 雪深い自然観光地の水道を 点・線・面で支える
KKEの現場レポート
海道ニセコ町下水道管理センター
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北海道の西側、後志地方南部に位置するニセコ町は面積が197.13 km²、人口が5,000人弱(平成28年3月末現在)の町。札幌から自動車だとおよそ100kmほどで2時間半程度の所にあります。 目の前には蝦夷富士とも呼ばれる羊蹄山が雄大で美しい姿を見せてくれます。ほかにもニセコアンヌプリ(活火山 1,308m)などの山々や尻別川などの清流に囲まれたニセコエリアは美しい豊かな自然の山岳丘陵地域で、冬には大雪が降ることでも有名です。 「ニセコ」はもともと「渓谷にある川」という意味のアイヌ語が語源だそうです。美しい山々、大雪がもたらす清流と讃えられる川に象徴されるとおり、質のよい水が豊かな地域でもあります。
もともとそれほど人口が多くないニセコ町ですので、配水池など水道の施設は大規模なものではなく、小さな規模の施設をその地域に状況に合わせて配置され水道水を供給しています。 しかし、ニセコは夏は登山やトレッキング、冬はウインタースポーツが楽しめる世界でも有名なリゾート地。特に雪が多く降る冬は古くからスキーと温泉を目当てにした多くの観光客に親しまれてきました。 こうした「季節」によって観光客が世界中から訪れる町の暮らしは、同じく季節によって変化し、暮らしに必要な水の量も大きく変動します。厳しい自然、点在する小さな施設、大きく変動する処理量。水道施設を管理する仕事にも豪雪のリゾート地ならではの知恵や技、体力も求められます。
現在運転管理している施設は浄水場及び配水池が14箇所、ポンプ場が3箇所の合計17箇所。山林原野が7割を占め、スキーなど観光客が多いニセコ町。水道施設も山にあったり、スキー場のすぐ脇にあったり、別荘地の中にあったり。 それぞれの施設の運転状況はネットワーク越しに監視できるシステムを導入しています。 「処理状況はわかるんですが、施設自体の状態はやはり実際に見て点検しないとだめなんです。」 と現場担当の事業所員。2人組で全ての施設を定期的に点検します。中には冬になると雪で道もなくなり、やがて雪が壁に。雪に埋もれないようスノーシューを履いて、雪に足を取られながら30分も歩かないとたどり着けないこともあるそうです。 「天候は変わりやすく猛吹雪になったりすることもよくありますね。道がなくなってスノーモービルでも結構大変です。」 それでも点検は欠かせません。雪の壁をシャベルで切り崩し、階段状の足場に仕立て上げていく技もかっこよく手馴れた感じでした。 「本当は薬剤を入れるのももったいない、と思うぐらいニセコの水はもともと品質がいいんですよ。」 と言いながら、高度な技術を使ったセラミック膜の浄化装置も小型のバッテリーで稼働するような装置も、それぞれの施設に納められたそれぞれの装置の点検や保守をテキパキとこなします。
こうした施設の運転管理を積み重ねる毎日に、新たな課題が持ち上がったのが数年前。ニセコ町の将来を見据えた水道事業を支えるというのがテーマでした。 「町にとっての資産としては施設より地中のパイプのほうが大きいので、そこも管理できないと将来が描けないんですね」 と北海道支店の営業担当。 東京本社の営業担当と連携してどうやて課題をクリアするかを検討しました。 「自分たちができることとクボタグループのいろいろな企業の力を連携してパイプやシステムなど総合的なサービスを提供することにしたんです。」 これまで相手にしてきた点在する施設と町の暮らしをつなぐパイプという新たな設備。そしてそれらを統合して情報化するという、文字通り町全体を面で網羅する水道事業の基礎づくりがはじまりました。
当然17の施設を点的に運転管理してきた現場はそれに加え、管路の面倒もみるというこれまでやったことのない仕事にも挑戦することになります。 まずはパイプのデータ化。リゾート開発の中でどこにどう埋められたのかわからなくなってしまったパイプも一本一本歩いて調査。データができれば次はその情報をもとに漏水調査とメンテナンス。なるほど水道事業の効率アップですね。 「努力とその結果が目に見えて数字に出てくると達成感がありますね。」 とちょっと自慢げに苦労話しをしてくれました。 定期的に開かれるニセコ町の担当職員とクボタグループ各社、現場事業所員との合同会議はニセコ町の水道事業の未来を描く会議。様々な視点のテーマが検討されています。 「ニセコはいいところです。夏も冬も自然が美しいし。それからやっぱり水がおいしい。日本一だと思います。」 美しく豊富な恵の水をもたらす大自然と観光という町の産業、そして町の人たちの暮らし。これらをつなぐ「自慢の水」をこの町にぴったりの形で未来につなげるのに必要な「総合力」が育ち始めたようです。