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ホーム 現場レポート エネルギーの地産地消を推進するごみ処理施設
KKEの現場レポート
ちくま環境エネルギーセンター
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ちくま環境エネルギーセンターは長野県北部の千曲市にある、令和4年に完成したごみ焼却施設で千曲市、坂城町、長野市南部の可燃ごみを処理しています。日本で最も長い川として知られる千曲川(信濃川)のすぐ隣にあり、広々とした景色の中に一際大きな建物に見えます。そのベージュ系とオフホワイトの配色は、周囲の環境に自然と調和し、やさしいムードを感じさせる外観です。
この事業は公共の資金によって民間が設計・施工・維持管理・運営を行うことでコストパフォーマンスの高い施設の建設、長期にわたる効率の良い維持管理などを目指すDBO方式で、クボタグループが設計・施工から運転管理までトータルなサービスで地域へ貢献しています。
ごみの再生利用に力を入れているこの新しい施設で運転管理をする所長に話を聞きました。
この施設では2基設置されたクボタのストーカー式焼却炉で1日当たり100トンの可燃ごみを焼却可能ですが、焼却処理で発生する熱を利用して作られる蒸気で発電機を回し、最大2,000kW、およそ3,900世帯分に相当する電力を作り出すことができます。こうして作られた電力は施設内で利用するほか余剰電力は売電しています。 さらに余剰熱で温水を作り、施設内の道路の融雪装置に利用したり、千曲市余熱利用施設のお風呂などでも有効活用されています。
一方、焼却処理で発生する焼却灰は回転式表面溶融炉で高温にして溶かすことで生成されるスラグを路盤材として地元企業に再利用してもらい、飛灰はセメント原料として使われます。
「一部再利用が難しいものもありますが、再利用できるものは全て再利用していますね。」
まさに「ごみという資源・エネルギーの地産地消」を促進する取り組みです。
所長は焼却施設の運転管理に携わって22年のベテランです。2000年に「循環型社会形成推進基本法」が施行され、循環型社会へ向けて資源をリサイクルするという方向にシフトする時代とともに焼却施設での運転管理の経験を積み重ねてきました。
「これまで6つの事業所に携わってきました。トラブルなど困った時にはよく情報交換しています。事業所間交流があって情報が共有できるというところが一番大きいんじゃないですかね。」
日々の業務で得た知識やデータはその事業所にとどめるのではなく、使える技術として共有することで施設の能力を最大限に引き出す運転管理の「技」が磨かれます。
「設備や機器の自動化は進みましたが、やはり人でないとできないことが多々ありますので、そこはこれからの課題です。でもこれまで仕事のやり方が大きく変わったということはないと思います。」
考え方の変化や技術の進歩、機器の進化などごみの資源化が加速する中、同じスピードで柔軟に経験を積み重ねてきたからこそ獲得できる運転の技術があるようです。
こうして培われてきた技術をベースに、所員の教育、技術向上、スキルの継承は重要な取り組みのひとつです。
「やはり実際に経験を積むことが大切だと思います。それからトレーニング、座学ですね。過去の経験に基づいて各指導者に指導をしてもらっています。」
経験豊富な所員を班長として教育などを行っています。運転指導員の長となる方、整備担当の長となる方を置くことでスムーズに連携のとれた教育が実現できています。
この施設の運転管理に携わる所員は現在33名。
「風通しがよいし、みんながやるべきことはちゃんとやるという同じ方向を向いていると思います。」
社会インフラ事業であり、循環型社会へ向かう取り組みの現場。人の役にたつことが大きなやりがいの一つだと所長は語りました。