排煙脱硫・排煙脱硝
発電所や工場ボイラーから排出される硫黄酸化物、窒素酸化物が含まれるガスを脱硫装置、脱硝装置にて処理します。
スプレー式スクラバー
- 装置名称
- 排煙脱硫装置
- 吸収剤/方式
- 石灰石膏法(湿式)
モレタナ式スクラバー
- 装置名称
- 排煙脱硫装置
- 吸収剤/方式
- 水酸化マグネシウム法、海水法(湿式)、苛性ソーダ法
ネオブリッド式スクラバー
- 装置名称
- 排煙脱硫装置
- 吸収剤/方式
- 海水法(湿式)
触媒接触還元法
- 装置名称
- 排煙脱硝装置
- 吸収剤/方式
- 触媒法(乾式)
スプレー式スクラバー
- 概要
- ノズルから吸収液をスプレー状に噴霧してガスと接触させ、ガス中の硫黄酸化物を吸収除去する方式である。
- 特徴
-
1)吸収塔内の圧力損失が低い
2)スケールトラブルが起きにくい
石灰石膏法(湿式)
- 概要
- 石灰石(CaCO 3 )をスラリーを吸収剤として使用し、排ガス中のSO 2 を除去します。吸収されたSO 2 は石膏として回収します。
- 特徴
-
・石灰石が安価なため、薬品のランニング コストが安い
・副生物である石膏を回収できる
・他の方法と比較して排水量がもっとも少ない - 特徴
-
SO
2
+CaCO
3
+1/2H
2
O
→CaSO 3 ・1/2H 2 O+CO 2
CaSO 3 ・1/2H 2 O+1/2O 2 +3/2H 2 O
ネオブリッド式スクラバー
- 概要
- 吸収塔内にモレタナと充填剤を組みあせて、ガス中の硫黄酸化物を効率よく除去します。
- 特徴
-
1)吸収液とガスの接触面積が大きい
2)プロセスがシンプルで、装置がコンパクト
海水法
- 概要
- 海水を吸収剤として使用し、排ガス中のSO 2 を除去します。吸収されたSO 2 は、曝気により可溶性の硫酸塩に戻された後、海へ放流されます。
- 特徴
-
・吸収剤は海水のみで、薬品が不要
・プロセスがシンプルで運転で、運転保守が容易
・吸収後に副生成物がない
・吸収液は曝気後に海に放流できる - 特徴
-
SO
2
+H
2
O → HSO
3
–
+ H
+
HSO 3 – +1/2O 2 → SO 4 2- + H +
HCO 3 – + H + → CO 2 +H 2 O
モレタナ式スクラバー
- 概要
- モレタナは、開口率が25%~60%と高く設計されている多孔板です。ガスと吸収液の接触効率が非常に高く、ダストを含むガス処理も可能です。
- 特徴
-
・ガス空塔速度が速く、吸収塔が小さい
・ダスト処理性能が高い
・スラリーにも強く付着閉塞がない (セルフクリーニング)
水酸化マグネシウム法 (湿式)
- 概要
- 水酸化マグネシウム【Mg(OH) 2 】を吸収剤として,排ガス中SO 2 を除去します。吸収されたSO 2 は、MgSO 4 の水溶液として排出します。
- 特徴
-
・水酸化マグネシウムは石灰に次いで安価である
・プロセスがシンプルで運転保守が容易、装置がコンパクト
・スケールトラブルがない
・酸化処理後のMgSO 4 はそのまま海に放流できる - 特徴
-
SO
2
+Mg(OH)
2
→ MgSO
3
+ H
2
O
SO 2 +MgSO 3 +H 2 O→Mg(HSO 3 ) 2
MgSO 3 +1/2O 2 → MgSO 4
海水法
- 概要
- 海水を吸収剤として使用し、排ガス中のSO 2 を除去します。吸収されたSO 2 は、曝気により可溶性の硫酸塩に戻された後、海へ放流されます。
- 特徴
-
・吸収剤は海水のみで、薬品が不要
・プロセスがシンプルで運転で、運転保守が容易
・吸収後に副生成物がない
・吸収液は曝気後に海に放流できる - 特徴
-
SO
2
+H
2
O → HSO
3
–
+ H
+
HSO 3 – +1/2O 2 → SO 4 2- + H +
HCO 3 – + H + → CO 2 +H 2 O
苛性ソーダ法
- 概要
- 苛性ソーダを吸収剤として使用し、排ガス中のSO 2 を除去します。吸収されたSO 2 は、Na 2 SO 4 の水溶液として排水します。
- 特徴
-
・プロセスがシンプルでメンテナンスが容易
・スケールトラブルが起きない
・脱硫率がもっとも高い
・副生物であるボウ硝を回収できる - 特徴
-
SO
2
+2NaOH → Na
2
SO3 + H
2
O
SO 2 +Na 2 SO 3 +H 2 O → 2NaHSO 3
NaHSO 3 +NaOH → Na 2 SO 3 +H 2 O
Na 2 SO 3 + 1/2O 2 → Na 2 SO 4